フューエルキャップが合わないといったお話を聞くことがあります。
ミジェット1500等、1970年以降のモデルでよく聞く事例だと思います。
年式、仕向け地でフィラーネックの形状が違うことが原因で、いわゆる排ガス規制・有鉛ガソリン使用禁止といった時代の流れにより、数種類のフィラーネックが登場したことで起きた事例だと思います。

手元にあるフューエルフィラーネックを集めてみました。

左から英国仕様等のスタンダードなタイプ(品番:CHA444)、中央が無鉛ガソリン仕様車用のネック(GAN6-200001以降に採用されたCHA733/中古品)、右がディーラー車(日英自動車物)のミジェット1500に付いていたものです。
この他にも初期のカリフォルニア仕様(無鉛ガソリン仕様)には、無鉛ガソリンのノズルしか入らないようにフラップの付いた物もありました。

英国仕様等のスタンダードタイプ=フューエルキャップの爪が内側にかかる様になっています。

無鉛ガソリン仕様車用=爪が外側にかかるようになっています。

ディーラー車に付いていたもの
爪が内側にかかる様になっていますが、スタンダードタイプに比べ穴が小さく、アダプターがねじ止めされています。

ディーラー物のネックをもう少し考察してみます。

フューエルキャップはこんな感じの物が使われているはずです。


キャップの裏側はこんな感じ


キーをよく見て頂ければわかると思いますが「ISUZU」のロゴがあります。
実は、このキャップはイスズのベレットの物を流用しているのです。


アダプターを固定しているビスをはずし分解してみたところです。
フィラーネックは前述の無鉛ガソリン仕様車用のものと同じものです。



当時の排ガス規制に適合させるために、カリフォルニア仕様車が輸入されていた関係でしょう、無鉛ガソリン仕様のフィラーネックに鍵付きのキャップを付けるために、このようなアダプターを取り付け、当時入手しやすかったベレットのフィラーキャップを流用したようです。

当時は入手しやすかったベレットのフューエルキャップも、今となれば入手が難しくなってしまいました。
弊店でも、フュエールキャップを幾つかラインナップしておりますが、このベレットタイプと互換性の ある物は残念ながらございません。
新しいキャップへと替える方法としては、
1)ベレット用のキャップを探し出す
2)アダプターを外しUSspecのフューエルキャップ(ノンロッキングタイプ 品番:GSC1376)を使う
の2通りの選択しか無いといったところです。

ロッキングタイプ(鍵付きタイプ)を使う方法としては、フィラーネックをスタンダードタイプに交換する方法があります。
・スタンダードタイプのフィラーネック
 Midget1500=品番:CHA444
 MGB=品番:AHH6281(to GHN/D5 386600) / CHA444(from GHN/D5 386601)
  等

スタンダードタイプにあうキャップは以下のラインナップがございます。
フューエルキャップ ノンロッキング / ベントタイプ ステンレススチール製 品番:18G8601SS
フューエルキャップ ノンロッキング / ベントタイプ 品番:18G8601A
ロッキングフューエルキャップ / ベントタイプ ステンレススチール製 品番:GSS154Z
ロッキングフューエルキャップ / ベントタイプ ステンレススチール製 品番:GSS154
ロッキングフューエルキャップ / ベントタイプ クロームメッキ 品番:AKF1439